一般向け 話題と議論

科学技術社会研究所では3ヵ月に一度ほどの割で定期研究会を開催しています。以下に掲載する記事は、こうした研究会で提示された報文や自由な自主投稿などからなっていま
(記事内容は必ずしもSTS全体の意見を反映するものではありません)。このページは話題を提供し、広く議論をおこすためのものです。皆さまからのご意見や投稿も歓迎いたします。

8.「自衛隊を災害救助隊へー3.11をプラスに転化するために」 菅沼純一
(2011年9月3日   平成23第2回STS研究会にて発表、季刊「日本主義」 No.15 (2011) 所収、2015年10月1日改定版投稿)

日本列島は今や地殻的に不安定な状態にあって、地震の活動期に入っていると言われている。自衛隊は今まで以上に、戦争で求められる破壊と殺戮のための武器ではなく、人命救助
に必要な装置と用具を開発し装備することが求められている。ならば、その方向で、思い切って国家の枠を超え、自衛隊を国際平和に貢献する道へと押し出すことはできないか。東日本大震災後の、人々の目を見張らせた自衛隊の救援活動を思い起こし、こうした大災害を機会に自衛隊が国際貢献隊として転化する道を提言する。




7.「万葉歌碑散策」 岡田修身(2015年6月24日 STS第45回研究会にて発表、Biblia No.65, July 2015, pp.124-128 所収)

関東一円には万葉集などの和歌、とくに関東に関連の深い東歌や防人の歌の歌碑が多い。古典にも造詣の深い著者は三つの歌の歌碑を訪れ、それらの歌の背景とともに著者の印象をつづる。万葉歌人の心や振る舞いは現代のわれわれにも通ずるのに対し、万葉人と我々とを乖離させる科学技術の飛躍的進歩は現代人にとって功か罪か。

 
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの子のここだ愛しき(一四ー三三七三)
 
赤駒を山野にはかし捕りかにて多摩の横山徒歩ゆか遣らむ(二〇ー四四一七)
 
勝鹿の真間の井見れば立ち平し水汲ましけむ手児奈し思ほゆ
(九ー一八〇八)                





6. 「腰部脊柱管狭窄症の手術体験記」 本会会員

20年来の著者の宿痾であった腰痛は、実は腰部脊柱管狭窄症であった。
2014年12月8日の手術から4ヵ月間近くに亘る術後経過を、冷静な自己観察によって客観的に記録した。回復過程における痛みの推移や諸症状を整理し、それらを詳細に作表した。手術は進行の少ない早い段階に行うべきことなど、体験者ならではの示唆と重要な忠告に富む。
はじめに  1. 手術後1週間目の状況  2. 手術後2週間目の状況 
3. 手術後3週間目の状況  4. 手術後4週間目の状況
5. 手術後2ヵ月と4週間目の状況
 6. 手術後7ヵ月目の状況



5.
「医療労働者としての医師たち−高血圧・糖尿病などの基準値を例として」 伊藤泰男(2014年9月18日 STS第42回研究会にて発表

近年、血圧の基準値が下げられてきたが降圧剤による人為的な血圧低下が健康維持に有効という明確な証拠はなく、降圧剤の使用は逆効果という統計データや臨床試験結果もある。コレステロール低下剤についても同様な状にあり、基準値見直しが提言されても反対意見は強い。医療システムの改善には患者側からの働きかけが必要なのではないのか。マニュアル化された診断と処方の問題に迫る。





4.「国際医療協力と保険医療政策」 倉辻忠俊(2014年3月28日 STS第40回研究会にて発表)
グローバル化が言われて久しいが、この20年はその中心が「地球家族としての平和」から外れ、経済分野に偏向してきている。健康が人間にとってなぜ経済問題よりも大切なのか、平和の前提である基本的人権の一つとしての人間の健康問題について、アジア、アフリカ、中南米などの発展途上国で学んできたことをもとに、国際医療協力のあるべき姿を考え、さらに、健康獲得・維持のためにはどのようにして保健医療政策を提言するかについても考察する。





3.「実効線量の意味が分かりません」 伊藤泰男(Isotope News 2014年2月号, No.718, pp.42-45 所収)
私たちのNPO科学技術社会研究所では”科学・技術と社会”の関係を考える研究会を定期的におこなっているほか、いろいろな人と意見交換をする機会を持っています。ある日、某物理学者との懇談の中で、氏は「実効線量の意味が分かりません」という質問を私に向けてきました。その時の会話内容を対話形式で再構成しました






2.「輸送軍用機オスプレイの政治社会的側面」 伊藤泰男

「オスプレイ」は大きいペイロードと長い航続距離に表裏する大きい危険性を持つ。こうした軍用機が日本に配備される意味合いは那辺にあるのか、その現実と問題点を地政学的側面から要約する。下記(岡田修身による)「オスプレイについて」に続き、当問題を政治社会学的側面から評論する。大型輸送ヘリコプターのブレードに装着される放射性物質と、それが事故時に飛散する可能性や危険性についても言及する。
日米地位協定 オレンジルート 飛行訓練 低空飛行 基地間移動 




1.
「オスプレイについて」 岡田修身(2012年12月5日 STS第34回研究会にて発表)

オスプレイ(osprey:みさご)は空中でホバリングしながら狙いを定め、急降下して海中の魚を捕獲する。その名をつけた「オスプレイ」は攻撃用の機体ではないが、垂直上昇と降下、および水平高速飛行の機能を兼ね備えた航空機である。本メモではまずヘリコプターの飛行動作を復習し、これをもとに「オスプレイ」の飛び方を考えてみる。その複雑さを考察し、軍用機であることから、その配備や訓練のあり方は技術的問題ではなく、結局、政治に支配されることを結論する。
1.ヘリコプターはどうやって飛ぶか 2.オスプレイとは 3.何が嬉しいか 4:欠点や危険性は 5.